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代わりに俺はお茶の入ったグラスを持ち上げる。
朋也「乾杯しよう」
智代「うん…」
朋也「乾杯」
言って、ふたつのグラスを合わせた。
そして、日々うまくなっていく、智代の手料理を食べた。
ふたりで洗い物をして、ふたりでテレビを見る。
ブラウン管には、野球中継が映し出されていた。
智代「朋也は野球が好きなんだな」
朋也「スポーツなら大体は好きだよ」
智代「そうか…朋也はスポーツ少年だったんだな」
朋也「それ以外取り柄なんてなかったからな」
智代「……」
朋也「今じゃ、それもしてなくて、取り柄もないけどさ」
智代「そんなこと言うな。
取り柄がないなんてない。
おまえは私を幸せにできる。
それが取り柄だ」
ふたりを隔てるものは今はもう何もない。
体を傾けて、キスをした。
けど、すぐ胸を押され、引き離される。
朋也「…ん?」
智代「ちょっと待て…」
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