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骸「――で、今度…――瑠璃??ああ、眠ったようですね…」
瑠璃「ZZZzz...」
骸「瑠璃…」
前屈みになっている彼女の名を呼んで、瑠璃の頭を膝に乗せる。
小さな寝息が聞こえて、頭を撫でた。
今、周囲に人が居て僕を見ていれば、さぞ愛おし気に彼女を見つめていると捉えられるでしょう。
まあ、間違ってはいませんが。
犬も千種も今は出払っているのでそう映る事はありません。
不意に瑠璃が寝返りを打ち仰向けになるものだから、彼女にささやかな口付けを贈る。
瑠璃「ん…。むく…ろ……zzZ」
骸「瑠璃…僕はずっと君の傍にいます…例え身体が離れていても…」
クローム『骸様…私…』
骸「そうですね…そろそろ…。クローム、瑠璃を任せましたよ…」
クローム『はい…』
そうして僕は再び、あの中<牢獄>へ…。
彼女…瑠璃との本当の再会は当分先になりそうですが、必ず幸せな時間を…――
瑠璃「っ…骸!!」
クローム「あ…瑠璃、目が覚めたの…」
瑠璃「く、クロームちゃん…骸、は…帰っちゃったんだね…」
クローム「うん…」
瑠璃「何で私、寝ちゃったのかな…」
クローム「骸様も今、眠ってる。瑠璃、悲しまないで…私、一緒にいるから…」
瑠璃「あ…。ご、ごめっ…クロームちゃんに心配かけて…」
犬「おーい、何してるびょん!飯ら、飯!!早く来いよー!!」
瑠璃「あ。呼んでるね!行こっか、クロームちゃん」
クローム「うん」
微笑んで立ち上がると、クロームちゃんが俯いて私の手を掴む。
俯いているから表情は見えないけど、きっとそれは照れ隠しで、骸の事で悲しまないようにと励ましてくれているんだと思う。
ぎゅっと、握り返せばクロームちゃんは私を見上げて、少し赤くなっていた頬が微かだけど笑んでいた。
「ありがとう」と言えばまた俯かれてしまったけど。
骸、私は平気だよ。
貴方が無事に戻ってきてくれれば私は…。
ずっと、骸を好きでいるから…早く帰ってきてねっ!!
end.
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