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「だれ? 今の子」
「ああ、隣の席のな。バレンタインデーでくれるんだってよ、義理だろうけど」
「呪ってやる」
「は? 祝ってやるじゃなくて?」
「違う、呪ってやる」
「そんな気さらさらない癖に。第一、理由が無いだろ」
「人を恨むのに理由が必要?」
「人を恨むのに理由が無くてたまるかっ!!」
「命なんて死んだら来世で貰えるからいいじゃない」
「それは日本人の考え方だ。しかも呪い殺す前提かよ」
「だって、殺さないと呪いが帰ってくる。呪われて死ぬなんて嫌」
「小さい頃、自分にされて嫌な事は他人にするなと教わらなかったか?」
「守破離。今は破」
「倫理の教えを破ってどうするっ!!」
「ルールと命は投げ捨てるモノ」
「それは通用するのは世紀末だけだっ!!」
「わからないの? 知らないのは罪なの。神に代わって断罪よ」
「その前に他人の明確な罪を裁いてくれ。神の代行人」
「ダメ、ゼッタイ。この罪は人を踏みにじる大罪だから」
そう言って、彼女はずっと手に持っていた星型チョコレートを口にした。
手は汚れてたけど気にしなかった。
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