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715 :本当にあった怖い名無し:2007/07/10(火) 12:06:36 ID:MqYoobQnO とある有名な湖での話。 由美子は泣いていた。 薄暗い湖面の上で、歓迎されるべくもなく生まれてきた赤子をそっと葬りながら… 「ドッボン…」 由美子は泣き続けていた。 忌まわしい記憶も薄れゆく程に、数年が過ぎた。 由美子も今では、結婚し一児の母となっていた。充実した日々が流れていた。 ある時、家族で旅行へ行くことになった。夫の強い主張で、行き先は湖となった。あの湖である。 由美子は一瞬ためらったが、乗り気の夫を見ていると拒否することが出来なかった。 当日は、素晴らしい天気だった。穏やかな陽気。楽しそうに水辺やボート遊びをする人達。 娘の朝美がどうしてもとせがむので、一家はボートで湖へと繰り出すことになった。 オールの起てる水しぶきに、ハシャぐ朝美。朝美はご機嫌だった。 由美子はオールの起てる水の波紋を見ていると、段々と憂鬱な気分になってきた。食い入るように波紋を見つめる由美子。 不意に朝美が 「ママ、オシッコ、オシッコ」 岸に戻るには、かなりの時間を要する場所だった。仕方なく、ボートを停め、オシッコをさせることにした。 パンツを下ろして、朝美を担ぎ上げる由美子。 朝美を湖面に差し出した時、突然、朝美が振り返って言った。 「ママ、今度は落とさないでね」 由美子の腕が小刻みに震え始めた…
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