警察

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数日前、私の住んでいるマンションで殺人事件が起きました。 その日のことを振り返ると今でもぞっとします。 その日の夜、7時頃だったでしょうか、私は仕事から帰ってマンションの通路を歩いていました。 すると、前からフード付きのレインコートを着た男性が小走りでやってきます。 男性の顔はフードを深く被っていてよく見えませんでしたが、 レインコートは真っ赤に染まっていました。 そのときは、それが返り血だなんて思いませんでした。 だからなんの恐怖も抱きませんでしたが、 すれ違っていたら殺されていたかもしれませんね。口封じの為に。 しかし幸いすれ違う前に私は部屋の前にたどり着き、部屋に入り鍵を掛けました。 その後、夜11時頃、部屋に警察官が訪ねてきました。 私がスピーカー(玄関に付いている、呼び鈴を鳴らすとカメラとスピーカーが作動して玄関にいる人と話せるやつです)で応対すると、その警察官は 「さきほど実は、このマンションの一室で殺人事件があったんですよ。 犯人はまだ判っていないので、目撃情報など詳しくお話をお伺いしたいのですが」 と言います。 私は仕事で疲れていたので、 「仕事で疲れているので明日にしてください」 と言って断りました。 翌朝、私はニュースでこの殺人事件の犯人を知りました。 犯人は、昨日私の部屋に訪れた警察官だったのです
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