創作

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クリスマスに家の裏でコスプレ女を拾ったら自分は人間ではなく10月31日、ハロウィンだと名乗りやがった。 「イベントの力の源は人間様です!人間様がわたくし達、イベントを楽しいとか、わくわくとか、そんなハッピーでインタレスティングな気持ちになるとパワーでるんです!」 「あとそのイベントを象徴する食べ物を食べたり行いをしたりしてもパワーでるのですけど、断然人間様のハッピーなお気持ちの方がパワー溢れます!」 「わっわたくしを消滅させにクリスマスさんが襲ってきます!人間様、どうかわたくしことハロウィンを楽しく素晴らしいイベントだと思ってくれませんか!?」 つまり私が今ここで、ハロウィン超楽しい☆キラッとか思えばこの目の前で土下座する時期はずれコスプレ女は満足するのか。意味不。 「あぁっクリスマス来ちゃいます!!クリスマスさん絶賛接近中です!」 そんな涙目で見つめられたら、ちょっとだけ 「ハロウィンって楽しいナー」 なんて思ってあげちゃってみたりしたり。 別にこの女の言ってること、信じた訳じゃないから。 「あぁっクリスマス来ちゃいます!!クリスマスさん絶賛接近中です!」 あれれ~?同じことを二度繰り返されたよ~? 「ハロウィンなんて、同人二次サイトのコスプレネタへの定石にしかならないよね」 「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」 なにやら凄いショックを受けたらしい さらに外から騒がしい鈴の音と共に嫌な予感が猛スピードで近づいてきた。クリスマスってもっとこう……嫌な予感とかしないものじゃないの? 「ハロウィンの奴はいるかぁぁぁぁ!?」 窓ガラスを破り突っ込んできたのは金色と赤と白の塊だった。 「くっクリスマスさん……!!」 ハロウィンにクリスマスと呼ばれた三色の塊はちゃぶ台の上でキメポーズをどや顔で決めてた。 背中を覆う蜂蜜レモン色の髪、白いファーがついた赤い服はどこからどう見てもサンタコス。しかもへそ出し。ミニスカなうえに胸に圧倒的な質量をお持ちになっていたので女と判定。実に美人な若いねーちゃん(私よりは年上)である。 つーか小太りでヒゲのお爺さんじゃないのかい。 これでもかと晒されたミニスカートから伸びる白い足は、服と同じような赤のブーツを履いていた。 土足で部屋あがんなし。 .
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