第一の章

3/3
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
二人が動いたのはまったくの同時だった 流れるような動きでイタチのクナイが弧を描けば、やはり身をひるがえしたサスケの手刀が、クナイを握った相手の手首を受け止める 受け止められたはずのイタチの腕は、サスケの腕の上をするりと滑って、まっすぐ首筋の急所を狙ってクナイを突き出した あわやという刹那、クナイの切先を受け止めたのは、サスケが空いている左手で引き抜いた腰の剣(千鳥刀)だった チリチリと耳障りな音をたてて、クナイの切先が剣の表面を滑っていく 押し負けないとするサスケのスキを突いて、イタチはサスケの右腕を抱え込み、そこを支点に蹴りを見舞った たまらず後方に身体を持っていかれそうになるところを、サスケはなんとか踏みとどまった そうして、前方のイタチに向かって、腰から抜いた剣を突き出そうする いち早くそれを見切ったイタチは、サスケのマントをつかんで体を入れ替え、背後から襟首をつかんでサスケを床に叩きつけた 受け身の取れない強烈な投げだった 握っていた剣が手から離れ、キリキリとまって床に突き立つ
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!