いくつになっても「女」

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その日も朝から、楽しいお客様たちのおかげで笑いの絶えない売り場だったのですが、夕方はさすがに暇になり、リッキーと休憩を取り合う事にしました。 私はまだ片付けが残っていたので、リッキーが先に休憩へ。 しばらくすると、ネックレスのコーナーで、一人のマダムが商品を眺めていました。歳は50代くらいなんですが、綺麗に伸ばした髪を靡かせ、服装も若い。メイクも若い。 「いらっしゃいませ。宜しければお手に取ってご覧下さいね」 マダムは私の方をチラッと見ると、なんだか険しい顔つきでプイッと商品の方に視線を戻しました。 ん…? 話し掛けたのマズかったかな? と、少し距離を取り、こちらから話し掛けないようにしていると… 「ちょっと」 と、マダムの方から声が掛かりました。 「はい、お伺い致します」 マダムの側に駆け寄ると、ネックレスの素材は何か。値段はいくらか。などの質問を受け、それに笑顔で答えていたのですが、次の瞬間……この“愉快な百貨店”のイメージを大きく覆される衝撃の一言が! .
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