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『･･おかしい。』
男は心の中で呟いた声を今度は口に出していた。
白と黒を基調とした部屋。
その広さは六十畳を優に超えている。
しかしその広すぎる部屋にあるのは、扉から一番遠い場所に置かれた長く大きな机と背もたれの深い椅子以外には一切、家具が見当たらない。
机の上は些か物で散乱していたが、中央のパソコンの回りだけは異様に片付いていた。
事実、彼は机の上のどの物よりもそのパソコンを使用している。
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