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「保安官、呼びましたか?」
保安官事務所に一人の大男が現れた。
保安官よりも一回りも二回りも大きい男。この村で一番の早撃ちだと言われるこの男が"早撃ちマック"だ。
マックはいつもこの男をそばに置いている。保安官の用心棒のような存在だ。
保安官の用心棒というのもまた滑稽な話だが、実際の話、早撃ちにかけてはマックの方が遥かに凄いのが現実である。
早撃ちにかけてはだが……
「お前に頼みたいことがある」
「なんですか」
「最近流れ者がこの町にやってきたのを知ってるだろう?」
マックはほくそ笑んだ。
「ええ、知ってますとも。で。そいつを始末しろと?」
ウッドもいやらしい笑いを見せた。
「話が早い。が、始末はしてほしくない。今しばらく泳がせておく」
「ならなにを?」
ウッドはその言葉を聞くや否や立ち上がる。
マックは目線でウッドを追いかけた。
「ついて来い」
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