入学式の朝

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―――もう、言わなくても良いよね… 「また会ったね」 傾く彼は爽やかに言う。傾いてなかったら…カッコいいのに…。 「そういえば自己紹介がまだだったね。僕はオトカワケイ。音色の音に、河川のかわに…」 「待った!」 「どうかしたかい?」 「『河川』のかわじゃどっちか分からないだろ」 音カワは少し考えて、「そっかそっか!気付かなかったな。ゴメン」と爽やかに謝った。一々爽やかってつけるのが面倒?でも爽やかだから仕方ない。 「黄河の河に、傾くの傾。音河傾」 たぶん話を聞いてた何人かは顔を背けてにやけているはずだ。無論、俺もそうした。良い名前だ。 それにしても早い伏線回収である。
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