入学式の朝

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「そういえば君の名前は?まだ聞いてなかったね」音河は頬杖をついた。常に首を傾げてるみたいだ。 「えーと…そう、俺は甲斐谷俊。漢字は名簿でも見てくれ」俺は雑に答えた。 音河はフッと笑った。 「自分の名前なのにちょっと考えるなんて、君変わってるね」 お前ほどじゃない。それに名前を忘れた訳じゃなくて、お前に言うべきか迷っただけだ。 「ん、もうすぐ入学式みたいだ。行こう」 音河は俺の手を取った。 …スベスベ。
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