鬼の護人【流転篇】

序章 文覚

文覚はある日、幼なじみの少女に関係を迫った。
しかし少女は文覚の要求を拒む。

「お主の母じゃを殺して、ワシも死ぬ。」

文覚は少女を脅すと、少女と無理矢理関係を結んだ。

それからはもう気持ちを抑え切れなくなった文覚は、少女を手に入れようと考えて少女に更なる脅しを口にした。

「ワシは渡辺渡を殺す、だからワシの嫁になってくれ」

「お許し下さい。本当にもう、お許し下さい」

泣きながら頼む少女に文覚は。

「お前のことが幼い頃より好きじゃったんじゃ、願いが叶わぬなら…お前を殺して、ワシも死ぬしかないんじゃ」

少女は文覚の言葉に折れて、ある提案をした。
夫である渡辺渡が湯あみを終えた後に来て欲しい。
その時までに妻として、夫渡辺渡と別れの心の準備がしたい、と。

文覚は少女の言葉に「すまん」と、一言詫びを入れて夜になるのを待った。