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二つの影は互いにぶつかり合っていた。
「なんだ、ケンカか?」
そう思い、慎重に近づくとそこには、ありえない光景が広がっていた。
「ふんぬぅーーー!!」
「はああぁぁぁぁ!!」
筋肉マッチョでピンクの紐パン(?)だけを着けた巨漢と、銀色のコートと帽子で顔が見えない人が拳のみで戦っていた。
(あ、怪しい!!両方とも怪しすぎる!!)
自分の考えよりも遥か上の現実がそこにあった。
その時、会話が聞こえた。
「貴様、何者だ」
「あらぁ~、それはクラスのこと聞いてるの?それなら、アタシはアーチャーよ」
巨漢がクネクネしながら答えていた。
「ふざけるな。そんな気色悪いアーチャーがいるのもか」
声からしてコートの方も男らしい。
(気色悪いのは俺も同感だ!)
「そして、そんな怪しい奴も見たことない!!」
(お前もだああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
―ポキッ
その時、士郎は誤って足元の枝を踏んで折ってしまった。
その瞬間、コートの男が士郎を見た。
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