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士郎は周りに警戒しながら、やっとの思いで自宅についた。
「つ、着いた」
士郎は茶の間に入り、壁に寄りかかりながら座った。
前にはラップがされている料理があった。
桜が置いて行ったらしい。
士郎はやっと落ち着いてきた。
「一体、何だったあれは」
グランドでの戦い。
コートの男。
そこで、士郎は事の言葉を思い出した。
「まて、俺はあの戦いを見ていたから殺されたんだ。もし、俺が生きていれば」
「また、殺すしかないな」
声がした。
コートの男の声だった。
振り向けば、コートの男が立っていた。
「俺は子供は殺したくはない」
そう言いながら、拳を構えた。
士郎はとっさに手元にあった鉄製のポスターを掴んだ。
物体の構造を読み取り、それに魔力を通して変化させる魔術。強化。
士郎はそれをやった。
魔力はポスターに流れ、強化された。
(これなら!!)
そう考えたが、甘かった。
コートの男の拳が、強化したポスターごと士郎を外へ吹き飛ばした。
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