1戦目 契約

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士郎は周りに警戒しながら、やっとの思いで自宅についた。 「つ、着いた」 士郎は茶の間に入り、壁に寄りかかりながら座った。 前にはラップがされている料理があった。 桜が置いて行ったらしい。 士郎はやっと落ち着いてきた。 「一体、何だったあれは」 グランドでの戦い。 コートの男。 そこで、士郎は事の言葉を思い出した。 「まて、俺はあの戦いを見ていたから殺されたんだ。もし、俺が生きていれば」 「また、殺すしかないな」 声がした。 コートの男の声だった。 振り向けば、コートの男が立っていた。 「俺は子供は殺したくはない」 そう言いながら、拳を構えた。 士郎はとっさに手元にあった鉄製のポスターを掴んだ。 物体の構造を読み取り、それに魔力を通して変化させる魔術。強化。 士郎はそれをやった。 魔力はポスターに流れ、強化された。 (これなら!!) そう考えたが、甘かった。 コートの男の拳が、強化したポスターごと士郎を外へ吹き飛ばした。
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