1戦目 契約

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人だった。 紫のセミロング。黒い角が頭の左右に生えている。そう、小学校低学年の女の子が巫女服を着て出てきた。 「……」 「……」 士郎とコートの男は絶句した。 あらゆる意味で。 「え、えーと。あなたがボクのマスターなのですか?」 女の子は士郎に聞いた。 「ま、ますたー?」 「ボクを呼んだ人、ということです」 士郎は彼女が何を言っているのか理解できなかった。 「君、そこをどきたまえ」 コートの男が女の子に近づいた。 「あ、あうあう~」 女の子は泣きそうな顔をして、頭を手で守るような格好をした。 「……」 コートの男の動きが止まった。 「あうあうあう~」 「……」 しばらくして、コートの男は踵を返した。 「命拾いしたな少年。俺は帰る」 そう言い、コートの男は消えた。 それと入れ替わりに、 「とう!」 巨漢が降ってきた。 「お、お化けですー!お化け嫌いですー!!」 女の子が士郎に抱きついて泣き出した。 「んま、失礼しちゃうわね。こんな美人で貧弱なアタシを見てお化けなんて」 巨漢はクネクネしながら怒っていた。 士郎は直視できなかった。 したら、吐きそうであるからだ。
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