表裏

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補習が始まり1時間が経った。 すると、火口が席を立った。 「ちょっと、昼飯食べてくるな。 入試の準備してたから忙しくて。ちゃんとプリントを解いているように」 そういうと火口は微笑みながら、教室を出ていった。 教師というのも、なかなか大変な仕事だな。 光は、ひたすらプリントを解き続けた。 基礎のプリントは、なぜかスラスラ解けた。 基礎なんだから当たり前か。 そんなことを考えていると、頭に痛みが走った。 頭痛か…。 しばらくすると、頭痛はおさまった。 後遺症かもしれない。 そう自分に言い聞かせた。 30分後、教室内に携帯の着信音が鳴り響いた。 光は、自分の携帯かと思ったが、学校では、いつも電源を切っている。 どうやら、戸田の携帯のようだ。 戸田は、携帯を取りだし画面を眺めていた。 メールのようだ。 しかし、様子がおかしい。 みるみる顔が青ざめていくのがわかる。 携帯をもつ手も震えている。 何かあったのか。 そう思ったが、戸田は、すぐに携帯を閉じプリントを解き始めた。 気のせいか…。 そして、光もまたプリントを解き始めた。
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