表裏

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一人の男子高校生が、学校の帰り道を歩いていた。 その足取りは、重い。 「なんで、僕はこんなにダメなんだ」 彼の手には、テストの答案が握られていた。 テストの点数は、赤点。 留年ギリギリだった。 彼の名前は、西野 光(ひかる)。 八名(やな)高校に、通っていて、17歳である。 身長は低くはないが高くもなかった。 体格も普通で、運動神経はあまり良いとは言えない。 ごく普通の高校2年生だった。 光は、特に取り柄もなく成績は常に最下位だった。 高校の始めは、こんなことになるとは思ってもみなかった。 赤点はいつものことで、大抵の教師には見放されていた。 友達と呼べる人はおらず、いじめられてはいなかったが、目立つような存在でもなく、彼に興味をもつものはいなかった。
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