352人が本棚に入れています
本棚に追加
帰り道、瑠依と凛太朗が並んで歩いていると、急に凛太朗が口を開いた。
「なぁ、なんでお前、剣道部に入んなかったんだ?」
そう、瑠依は全国大会で1位を取れる程の腕前にもかかわらず、高校では剣道部に入らず、美術部に入っていた。
「……おじいちゃん以外に教わる気、ない……それに……」
一旦言葉を止める瑠依を不思議そうに見つめる凛太朗。
「それに………ひとりは、嫌だから…」
目を伏せ、ポツリと言う瑠依。
そんな瑠依に凛太朗は一瞬ハッとした様な顔になるも、すぐに目を伏せ瑠依の頭を撫でる。
そして…
「………ごめん」
ポツリとそう呟いた。
その後、道場に着くまで2人の間に会話はなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!