352人が本棚に入れています
本棚に追加
暫く道場内は静寂に包まれる。
しかしそれも…
「うぁぁあぁぁっ!くそぉ!また負けたぁっ!」
凛太朗の叫び声によってすぐに破られた。
「………」
「なんで瑠依はそんな強いんだよぉー!」
凛太朗は悔しそうに顔を歪め、瑠依を見上げる。
「凛太朗、そう吠えるでない。
お前も随分強くなったじゃないか。昔のお前だったら、あそこまで続かんかったじゃろ」
優しげな表情でそう告げる謙三に凛太朗はパッと顔を輝かせる。
「ほんと?
じいちゃん、俺、強くなった!?」
「あぁ、本当じゃ」
「よっっっしゃぁぁああぁ!」
さっきまでの悔しそうな様子は何処へやら
一気にテンションの上がる凛太朗。
「………単純」
そんな凛太朗を見て、瑠依はボソリと呟き小さく溜息を吐いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!