始まり

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暫く道場内は静寂に包まれる。 しかしそれも… 「うぁぁあぁぁっ!くそぉ!また負けたぁっ!」 凛太朗の叫び声によってすぐに破られた。 「………」 「なんで瑠依はそんな強いんだよぉー!」 凛太朗は悔しそうに顔を歪め、瑠依を見上げる。 「凛太朗、そう吠えるでない。 お前も随分強くなったじゃないか。昔のお前だったら、あそこまで続かんかったじゃろ」 優しげな表情でそう告げる謙三に凛太朗はパッと顔を輝かせる。 「ほんと? じいちゃん、俺、強くなった!?」 「あぁ、本当じゃ」 「よっっっしゃぁぁああぁ!」 さっきまでの悔しそうな様子は何処へやら 一気にテンションの上がる凛太朗。 「………単純」 そんな凛太朗を見て、瑠依はボソリと呟き小さく溜息を吐いた。 .
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