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「え、行く、ってなんで……?」
凜太朗が頭に疑問符を浮かべる。
「凜ちゃん、送る。
それに、ちょっと神社に行きたいから」
あぁ、つまり神社に行くついでなのか…
あわよくば付き合えってことか…
瑠依の言葉から意図を読み取り納得する凜太朗。
「瑠依、行くのは良いがすぐ夕飯にするからあまり遅くならないようにしろよ。
それと、もしもの時の為に携帯だけでも持ってけ」
凜太朗が一人納得している横で、勇人が瑠依に声をかける。
勇人は、昔、行く宛てがなくフラフラしていた所を瑠依の父に拾われ、それ以来、藍沢家で共に暮らしている。
今は瑠依の祖父、謙三の手伝いのようなものをしている。
藍沢家の家事なども、実は勇人が担当していたりする。
「…うん、わかった。
凜ちゃん、鞄から携帯取ってくるから…ちょっと待ってて」
瑠依は勇人の言葉に頷き、凜太朗に声をかけると、荷物が置いてある部屋にパタパタと走っていった。
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