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「……用ないなら……戻ってもいいかな…?」
声の主は言わずもがな瑠依であり、睨み合うばかりで話が先に進まないので飽き始めていた。
そう言うやいなや、返答も聞かずに自分の席へと戻っていく。
「あ……ちょ……藍沢さんっ…」
男が急いで呼び止めるも、瑠依はもう自分の席に着き、また外をボーッと眺めている。
「藍沢さ……」
「ぷっ……クク、フラれてやんの」
瑠依が行ってしまい落胆する男とそれを見て笑う凛太朗。
凛太朗はひとしきり笑うと、じゃぁな、と言いまた笑いながら瑠依のもとへ行く。
男は悔しそうに凛太朗を睨むと、踵を返し自分のクラスへと戻って行った。
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