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「…何か言うたか?」
「キツネがいます」
ひくり、と口角を引き攣らせて首を傾げる遊さんに、特に何の感情も乗せない表情で答える。
「どこに?」
妙な顔のまま俺に再び問う遊さんに何も言わず人差し指を突き立てる。
「…トイレの場所、教えたるわ」
「面接の時に教えてもらったんで大丈夫です」
「ええから、行くで」
「何する、…」
「遊!漣くんいじめんな!」
「ぐあっ」
俺の腕を掴んだ刹那、変な声をあげて崩れる遊さんの後ろからひょいっと彩乃さんが顔を見せた。
「俺いじめないし!むしろ今のは俺がいじめられてんで!」
「…何されたの?」
「キツネって言われた」
「事実じゃん」
「えーっ俺、遊さんカッコイイと思う」
「」
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