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取り敢えず俺と光は扉を抜け、奥の部屋へと歩を進めた。
その先には沢山の武器や鎧、魔法使いの杖みたいな物まで所狭しと並べられている。
「凄いな士悠。これは本当に凄い」
おいおい光、安易に触れようとすんなよ。此処にあるやつ全部が全部妖しげな気配を醸し出してるぞ。全くもっと慎重になれっての……
「確かこの中から一つ選べばいいんだよな」
「ああ。良し、俺はこの剣に決めた」
光は如何にも勇者の剣っぽい両刃の西洋剣に決めたらしい。だからもっと慎重になれよ。
素直に蹴りを入れたい衝動を我慢する。
さて俺はどうしたものかと物色していると奥の棚の隅に銀色に輝く指輪が隠すように置いてあった。その指輪は他の道具とは比べるまでも無い圧倒的な違和感を感じさせる。
一言で言うならば “異質”
「ふーん、俺はこれにする」
「ん?剣とか槍みたいな武器じゃなくていいのか」
「これで良い。むしろこれが良い」
何故そう思うのかは分からない。しかし俺の中の何かがこの指輪にしろと訴えているのだ。実際、魔術とかの類いに関しては無知なのだから自分の直感を信じたい。
そして俺は指輪を嵌めた。
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