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放課後の帰り道、俺こと黒峰 士悠と超ハイスペック幼なじみ藤堂 光は大変面倒な状況に陥っていた。
説明するのは至極簡単。
いきなり道のど真ん中に時空の歪みみたいのが出現し現在進行形で俺と光を吸い込もうとしているのだ。
もっとも正確に言えば光をだが……
「ダァーもうッ!! なんで俺の足にしがみつくんだよ!? お前が吸い込まれてんだからしがみつくな!!」
「俺とお前は一蓮托生!! こうなったら士悠、お前も道づれだぁー」
「ざけんな!! こういうときは友達を助けるために犠牲になるもんだ!!
俺たち幼なじみで親友だろ」
「嫌だ! むしろお前が俺を助ける場面だろ」
あ~あ俺の爽やかスマイル付きの提案を拒否りやがった。少しは考えるくらいしろよ!
つかヤバい、現在電信柱に捕まっている俺だかそろそろ腕がプルプルいってるというか汗で手がすべるというか……
はい、つまりは限界です。
「あっ」
そんな間抜けな一声とともに手が離れた。
「士悠ゥゥゥ!!!」
「知るかァァァ!!!」
当然、俺と光は歪みに呑み込まれていった。
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