出産

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実家から久しぶりに、我が家に戻ってくると、浩介が静香に思いっきり抱きつく。 静香は、それが何だかくすぐったかった。 浩介の熱いキスが、静香をとろけさせる。 祐介を用意された赤ちゃんベッドに寝かせたら、 「俺、もう我慢できないかも・・・」 浩介の熱い吐息に、静香も答えた。 「浩介さん・・・」 久しぶりだったので、いつも以上に燃えた二人だった。 だが、余韻も覚めやらぬうちに、祐介が泣き出した。 二人で、祐介をあやす。 「浩介さん、パパになったんだから、今度からパパって呼んだ方がいいのかな?」 静香の問いに、浩介は照れながら言った。 「そうだね。でも、二人っきりの時は、『浩介さん』って呼んで欲しい。いつまでも、恋人気分でいたいから。」 「うん、私も、ずっとそういう夫婦でいたいな。」 二人は微笑んだ。 祐介は、静香の腕の中で、すやすやと眠った。 「浩介さん、明日も仕事でしょ?ゆっくり休んで。」 「うん、だけど、子供が夜泣きしたりするときは、交代で祐介を見ようね。 そうしないと、育児ノイローゼとかになっちゃうからね。」 静香は、浩介の優しさが嬉しい。 この人は、言った事は必ず守ってくれる。 そんな浩介が、世界で一番いい男だと思っている。 母には、まだ浩介との本当の出会いを話していなかった。 人に、出会い系サイトなんかで出会ったって言ったら、馬鹿にされるかもしれない。 だけど、浩介と出会えた事、それは恥じる事ではなく、誇らしい事だ。 だから、母に本当の事を話そうと思った。
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