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二人で、家の外へでて、散歩しながら話をした。
「ねぇ、浩介って本当にいい男でしょ・・・?」
百合の一言で、静香はまだ百合が浩介を好きだという事を知った。
「ええ。」
「私、再婚したけど、まだ浩介の事、忘れられないの。」
百合は、悲しそうな目をした。
「でも、浩介さんを裏切ったのは、あなたの方でしょ?」
静香の言葉に、百合は頷いた。
「裏切ったのは、私よ。でも、あの頃は、浩介も会社を立ち上げたばかりで、忙しくて、本当に夫婦生活ってまともに送れてなかったの。
寂しかったの。」
その言葉に、少し女性として共感した。
「その寂しさに負けた時、浩介を愛しているのに、他の男に抱かれてた。
浩介にその事がばれて、離婚する事になっても、やっぱり浩介が好きだった。
浩介が、2度としないなら、一度は許してくれるって、それで復縁したの。
浩介も、なるべく時間を作ってくれたわ。
だけど、私はあの頃はまだ若すぎて、やっぱり寂しさに押しつぶされそうになった。
今更だけど、あの頃に戻れるなら、若かった自分に、言ってやりたいの。
愛に溺れるなって。」
百合の一言は、静香と重なり合う気がする。
姿形、性格は違えども、女という事に、違いはないのだと、静香は思った。
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