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「それで、今回呼んで頂いた用件とは?」
既に話を始めて30分になるのだが、雑談の枠から外れない会話の内容に池波は少々じれったくなり切り出したのだった。
山下と峰岸が何やらボソボソと会話をし、頷き合うと峰岸がテーブルの下からクリアファイルを取り出し、池波の前に差し出した。
池波はクリアファイルから10枚程のA4サイズの書類を取り出す。
書類の右上には゛秘゛の判子が押してあり、その横には警本部の5名の確認印が押してある。
書類の中心には控えめなフォントで
゛指名手配犯追跡プロジェクト゛
と書かれており、それを見た池波は首を傾げた。
その様子を見ていた山下がようやく口を開く。
「まぁ簡単に言えば、テレビ局の力をお借りして指名手配犯を捕まえようって事です。うん、間違いない」
言い切った表情には若干の陶酔の色が表れている。
池波が表紙を捲ると、二枚目には簡単な図が描かれていた。
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