真っ赤なリボン

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***** 段々泣き止んできた私をみて、セイン兄ちゃんは優しく笑う。 「もう大丈夫?落ちついた?」 それに返事するように、小さく頷くと、私は今朝のことを話した。 話は行ったり戻ったりと順序がめちゃくちゃだと思ったけど、セイン兄ちゃんはその話をしっかり聞いてくれた。 「お母さんも、お父さんも、リョウも、私のこと嫌いなんだ」 「そんなことないと思うよ?おばさんもおじさんもリョウ君もクレアちゃんのこと大好きだよ。何か理由があったのかもしれないよ」 諭してくれるセイン兄ちゃんには悪いけど、そう言われてもすぐには納得出来なくて、うーと唸る。 「もし、おじさん達がお祝いしなくても、僕がお祝いするよ」 「……本当?」 「うん、本当」 セイン兄ちゃんはにっこり笑ったあと、ポケットの中に手を入れて赤いリボンのついた包みを取り出した。 「お誕生日おめでとう。お菓子しか入ってないけど、ごめんね」 そっと受け取ったプレゼントはキラキラしていて、私が望んでいた誕生日のキラキラと同じだった。 うれしくて、ぎゅうっと包みを抱き締める。 「~っ!!セイン兄ちゃん、有り難う!」 「喜んで貰えたみたいで良かった」 もう一度プレゼントをみると、真っ赤なリボンがとても綺麗で、また嬉しくなる。 「このリボン、クレアの髪に似合いそうだね。ちょっと貸してみて」 そういって解いたリボンを一つに束ねた私の髪に結わえる。 「うん、可愛い」 「あ、ありがとう!大切にするね!」 「ねぇ……きっと今ごろ、おじさん達が心配してるよ?」 「……うん、セイン兄ちゃんがお祝いしてくれたから、もう大丈夫。おうちに帰るよ」 笑ってそう答えるとセイン兄ちゃんは私の手をとって、おうちまで送ってくれた。 おうちにつくと、お父さんが飛び出してきて、ぎゅうっと私を抱きしめ、お母さんが「おかえりなさい」と笑ってくれ、リョウが照れくさそうに近づいてきた。 「お姉ちゃん、お誕生日おめでとう!!驚かせたくて、内緒で準備してたんだよ」 うちの中をみると、お誕生会の準備がしてあり、キラキラがいっぱい詰まっていた。 はっと隣にいたセイン兄ちゃんをみると、「ね、大丈夫でしょ?」と優しく笑ってくれた。 「ありがとう。みんな、みんな大好きだよ!!」 一年で一番大切な日。 一番キラキラした日。 今までで一番幸せな日だった。 *end*
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