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「り…遊里。」
私の名を呼ぶ聞き慣れた愛しい声。
穏やかなその響きに重たいまぶたを開ける。
キレイなレースのカーテンから注ぎ込んでくる優しい朝の日差しに目を細め、目の前の微笑みを見つめた。
「…おはよう遊里。ぐっすりだったな。」
「…おはよう海斗。…かなり激しい運動をしたから。」
私が口を尖らせたら海斗がクスクスと笑う。
私の頭の下にある腕を曲げそっと髪を撫でられた。
「そうだな。無茶をした。…かなりじらしてからゆっくりと時間をかけて…」
「わーわー!!と…ところで今何時?」
このままでは詳しく昨日の交わりを説明されそうだったので、慌てて話題をそらす。
勝ち誇った目で私を見下ろしてから、枕元にある時計を手に取った。
「9時だな。」
「ああ、9時…………えぇ!?」
ガバッと起き上がると腰の辺りが重く疼く。
意識を失った時は確かに裸だったのに、肌には柔らかなシルクのパジャマが巻きついていた。
たくさん汗をかいた肌もさらさらしているので、海斗が体を拭いてパジャマまで着せてくれたんだろう。
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