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「あ…ありがとう服…」
「いや、おかげでお前の裸をマジマジと観察できた。」
海斗の返答にボッと顔が赤くなる。
昨夜たんまりと焦らし体中をしつこく見ていたくせに、私が意識を失った後に更によく見ていたらしい。
その姿を想像するだけで恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だ。
…ってそうじゃなくて!!!
「じ…時間!海斗、遅刻だよ!!」
慌ててベッドを出ようとする腰を掴まれ、また元の位置に戻される。
「今日と明日は休みをとった。慌てなくて良い。里海も遊真に支度をしてもらって学校に行ったしな。」
「休みを…?」
「ああ。入院したり、仕事が忙しかったりでなかなか休みもとれなかったからな。」
海斗の説明に納得し、そしてガクッと肩を落とした。
……子供達の学校があるのに寝坊だなんて…後で子供達に謝らなくちゃ。
自分の情けなさに頭を抱える。
「…昨夜は俺が無茶をしたから疲れていたんだろう。気にしなくて良いさ。お前はよくやってくれている。」
そんな私を慰める海斗の言葉が優しく私を癒やした。
そのまま腕を引かれ、また海斗の腕の上に頭を乗せられる。
「…さあ遊里、二人っきりだ。今日はゆっくりと家で過ごそう。」
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