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「それは…無理だよ…」
「何故です!?」
女性は、声を荒げる。
その瞳にはうっすらと涙が浮かんでいた
「僕は、今まで『兵器』として、ギルドに利用されてきた…僕に与えられる任務は、殺戮や反乱分子国家の重鎮の暗殺もしくは国の壊滅、本当に『兵器』としての扱いを受けてきた…今さら遅いのかもしれない…!
でも…!」
少年は、涙ながらに胸の内を明かした。
「もうこれ以上僕の手で人を殺したくないんだ!!」
その言葉に遂には少女の瞳からも涙が溢れる。
「…残念です。私達の任務は、隊長を連れもどす、もしくは、…反乱分子として抹殺する事ですから…」
それでも少女は自分達に与えられている『ギルドの裏切り者』の抹殺という命令に従う
それが例え自分の上司であっても…。
「そうか…なら…君が殺してくれ…華月(カゲツ)」
少女の真意を知ってか知らずか少年は、両手を横に大きく広げる。
後ろからの追っ手は、もうそこまで迫っていた。
「…ッ!」
「早くしろ!!」
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