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さっさと覚めろ
開けっ放しにしておいたカーテンから無駄に暑い太陽の光が眩しい
もう昼か。
先ほどの出来事が夢であるよう、祈りながらテレビをつける
『――爽快な飛行をサポートする!フライスーツ、新モデル続々登場』
夢じゃなかった。
しかも、CMでは少しかっこいいと思っていた俳優がピッチリとしたスーツに身を包んで飛んでいた。
有り得ない。というか有って欲しくない、こんな事。
朝目覚めると、少しだけ現実が知っている現実を違いました?
頭がおかしいみたいだ、笑えてくる。
部屋を意味もなく、円を書くように歩く
焦っている思考の中、くしゃっとした音と一緒に足下に小さな痛みが起きた
確か夜中に踏んだ。
こんなもの持っていたっけ。
ピンクのチェックの紙袋を開けると、(楽しい飛行ー初級編ー)が入っていた
そして中には、電話番号の書いてあるメモ用紙が挟んである
何の疑いも無く電話をかける
何かこの現実がわかるかもしれない。
藁にも縋る思い。今なら蜘蛛の糸にでも縋ろう、たとえそれが墜ちる運命でも。
『あ、もしもし?HAPPYbirthday!!』
無駄に明るい声が響く、しかも無駄にいい発音
こうして私の20歳目の人生がはじまった
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