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出会い
あれは僕が高校生の時の事だった。当時僕は学校では友達も少なく殆ど一人で過ごしいた。
あの頃は二年生に進級したと言う事で悩みや不安も多く一人で抱え込んでいた。
そんなある日 仲間の紹介で一人の友人と知り合った。
彼の名はK田くんといった。 K田くんは自分より学年が一つ上で事実上は先輩なのだが 当時通っていた学校は事実上規模が小さく 生徒の数が少なかった事と 生徒、先生皆お互いに友達や家族みたく殆ど敬語を使わずにアダ名で呼びあっているようなアットホームな学校だったので、彼の事は先輩と呼んだり敬語を使わずに普通に『K田くん』と呼んでいた。
K田くんはクラスではどちらかと言うと余り目立つタイプではなく物静かな感じの普通の青年で団体行動を余り好まず学校の行事である修学旅行やキャンプなどの泊まり掛けのイベントには一切参加しなかった。 そして休み時間は当時の自分と同じ様に一人で過ごす事も多かった。
K田くんの話によると彼は自分が入学してくる一年前に途中編入して来た。
元々彼の実家は栃木県の宇都宮市にあり編入してくるまでは地元の高校に通っていたのだが 余り馴染めず直ぐに退学してしまったと言う。
その当時の話について彼は「あの頃は誰に大しても心が開けなかったし 学校にも行かず毎日のように部屋に引きこもっていた」と語っていた。
そして二学期の始業式彼は親元を離れ途中編入して来た。
当時の自分にしてみれば高校生と言う若さで親元を離れてわざわざ編入して来るなんて偉いな と彼に大して憧れのような目で見ていた。
これが彼と知り合った時に自分が感じた事だった。
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