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最後の一日
年が明け三学期が始まった。
三学期になればK田君達三年生達にとっては卒業を控えた大事な時期になる。
僕の学校は美術関係の学校で 生徒達は2月の行事作品展に向けて 一番忙しくなる。
K田君も最後の作品展になるため為 放課後 学校に遅くまで残り作品作りに没頭していた。
僕も彼と一緒に作品作りに没頭していた。
あの時期は作品作りが凄く忙しかったけど 楽しかった。
お互いの作品の出来具合を見て評価しあったり 帰り際 一緒にラーメンを食べに行ったりした。
そして作品展も無事に終わり、 三年生達は卒業式まで学校に余り来なくなる。
でもK田くんは 変わらずに学校に顔を見せに来てくれた。
何でも「荷物の片付けと家にいても何もする事がないから来た」と口では言っていたが
これは彼と仲が良かった先生から聞いた話で 彼が学校に来た理由は僕と会いたかった為にだと言う。
僕の姿が見えないと彼は自分から「あれ?Y助君はどこですか?」と聞いていたと言う。
そして三年生の卒業式間近に2月下旬 彼はいつも通り 学校に遊びに来てくれた。
そして普段通り彼はいつもと変わらずに過ごしていた。
あの日金曜日で授業も午前中で終わり。そして午後、友達の一人がペットショップに買い出しに行くと言う事で仲の良かった先生が車を出してくれて 自分も猫用品が見たいと言う事で一緒にペットショップに行った。
K田君も「ヒマだから」と言う事で付き添いとしてついてきてくれた。
行きの車の中、僕達はいつもと変わらずに楽しくK田君と雑談した。
時には冗談を言ったり最近の周りの話題話、趣味の話などたわいのない話をした。
でもまさか これが彼と過ごした最後の一日になろうとは 誰も予想していなかった。
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