鼓動

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石根は家族と帰省していた。 この家は石根の祖父母の家で、江戸時代末期に建てられたので、物珍しく石根は家の中を見回った。 石根は家の奥にある部屋の扉を開けた。 すると、異様な気を放つ箱があった。 「その箱」の周りにも幾つか箱はあったのだが、石根は「その箱」が気になった。 被っていた埃を払って、石根は「その箱」に書いてある文字を見た。 「石根家秘伝棒」 と書いてあった。 思わず石根は気になって、「その箱」を開けてみた。 中には石で出来た棒状の磨製石器があった。 「ガタン」 石根はその音に驚いた。 「なんだ、亮二も来ておったのか。」 亮二とは石根の名前である。 「おじいちゃん!」 と石根は音の正体が祖父が扉を開閉した音と気付いて安堵した。 「亮二、それ着けてみたらどうじゃ。」 すると石根はこう言い返した。 「それって何?」 「それとは石棒じゃよ。」 「でもどこに着けるの?」 「それがわしにも分からんのじゃ。亮二が思うところに着けて見るがよい。」 「分かった!着けてみる。」 すると、家を吹き飛ばし、石根自身も巻き込まれるくらいの力が出てきた。 家族は消えてしまった。 石根の人格も変わった。
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