緋村物語(序)

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そう思いながら、走って登校する。 今日は新学期。そして2年生になってから初めての登校。 「1年の時は彼女出来なかったから、2年こそは!!」走りながら気合を入れた。 曲がり角に差し掛かり、「まさか、こんなとこで転校生とかの女子にぶつかったりして運命の出会いがあったりして(笑)」とか、思いながらろくに減速もせずに曲がり角を曲がる。 ドォーーン!! 誰かと激しくぶつかる!! 涼は運命の相手と思われる人に反射的にこう聞いていた。 「大丈夫!?」 「大丈夫よ。それよりお弁当忘れちゃダメじゃない!」と母親。 「母かよっ!!」 前言撤回だ。運命の人が母親のはずがないからだ。いや、まぁ、俺を産んだからには違う意味で運命の人である事は間違いないんだが。。。 今は、そう言う意味での運命の人を探してるわけではない。 お弁当届けようとして後から俺を追いかけて来た母に曲がり角でぶつかるのっておかしくないか?!という疑問はとりあえずここに置いておいて、母にお礼を言い弁当を受け取りまた学校目指して走り出す。
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