さんじゅうさん

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「これどう思いますか?」 「え?」 横目で盗み見てた指先が コンコンとパソコン画面を鳴らす 慌てて画面を見れば 去年と今年を比べたら予算費だった。 去年は黒字だが今年は、赤字に近い 「この企画が成功すれば黒字には なるとは思いますが、 このままだと赤字です。」 「確かに…予算費は増やせないからね この9月に行われる企画発表の~」 「そうですね。課長に言ってみます」 「うん。」 「そーいえば、 この企画に黒色をいれてみました。」 「え?」 「僕の企画が通った時に 貴方の企画書を見させてもらったんです やはり女性の意見も大切ですし 僕のだけだと、たぶん成功はするけど 爆発的には売れない」 「…あぁそう」 「黒色を入れるなんて さすがの僕でも考えつきませんでした。 貴方のこと、これでも僕 尊敬してるんですよ」 「またまた~」 「本当ですよ。 入社時から、貴方に憧れてた。 貴方に追いつきたくて、 まぁまだまだですけど。」 今まで加藤は、私を見下してると思ってた。 だから嫌いだったし 何事もヒョイヒョイこなす 加藤を何処かで羨んでたのかも。 「加藤だって…努力家でしょ? 凄いよ、あんたは」 「ありがとうございます」 初めてくしゃっと笑った 加藤を見た。 私も笑い返した。 「たーだ!次の企画は負けないよ」 「そりゃ僕だって」 加藤となら きっとこな企画は成功する そう確信した。 *
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