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「これどう思いますか?」
「え?」
横目で盗み見てた指先が
コンコンとパソコン画面を鳴らす
慌てて画面を見れば
去年と今年を比べたら予算費だった。
去年は黒字だが今年は、赤字に近い
「この企画が成功すれば黒字には
なるとは思いますが、
このままだと赤字です。」
「確かに…予算費は増やせないからね
この9月に行われる企画発表の~」
「そうですね。課長に言ってみます」
「うん。」
「そーいえば、
この企画に黒色をいれてみました。」
「え?」
「僕の企画が通った時に
貴方の企画書を見させてもらったんです
やはり女性の意見も大切ですし
僕のだけだと、たぶん成功はするけど
爆発的には売れない」
「…あぁそう」
「黒色を入れるなんて
さすがの僕でも考えつきませんでした。
貴方のこと、これでも僕
尊敬してるんですよ」
「またまた~」
「本当ですよ。
入社時から、貴方に憧れてた。
貴方に追いつきたくて、
まぁまだまだですけど。」
今まで加藤は、私を見下してると思ってた。
だから嫌いだったし
何事もヒョイヒョイこなす
加藤を何処かで羨んでたのかも。
「加藤だって…努力家でしょ?
凄いよ、あんたは」
「ありがとうございます」
初めてくしゃっと笑った
加藤を見た。
私も笑い返した。
「たーだ!次の企画は負けないよ」
「そりゃ僕だって」
加藤となら
きっとこな企画は成功する
そう確信した。
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