幼少期の虎太龍

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天保6年(1835年)3月2日尾張国東名古郡梅本町筋一丁目にある 父 葩陸 龍真 と 母 お京の間に出来た待望の男の子がこの世に産声をあげた… この物語りはこの男の子が成長し幕末の世へ駆け抜けるヒーローになる話である その名は 葩陸 虎太龍 (はなりく こたろう) と名付けられた そして…すくすくと育ち 歳は十歳まで成長した そんな虎太龍も清林塾(町1番の学問塾)と相氣柔刀流という流派剣術(町1番の道場)へ習っていた しかし虎太龍はどちらともに才はさっぱりであった そんなある日の事 虎太龍が塾に向かっていた時の事だった 虎太龍『ワシは、何故この世に生まれてきたんだろうか』と独り言を呟やき川を眺めていた すると…右のほうで何か揉めていた ふと虎太龍は顔を右に向け視線をやると 上士の子供達が誰かを囲んでいた 子供A『くそたれが…こんなに汚しやがって~痛めつけたるがや~』 と罵声をあげながら蹴った その隣にいた子供Bは 『ダメだ!こいつは意気がない弱虫やからやり返してこんがー』 子供C『…本当に情けないの~う』 虎太龍はそこへ近付き 口を開いた 『おみゃさんら…もうその辺にしときや~て、たった一人をよってたかって~恥ずかしくないんか?』 子供A『なんやおみゃは…』 虎太龍『ワシは虎太龍…葩陸虎太龍…もうおみゃさんらあっちーいかんか?』 子供B『おみゃが去れや…こいつはワシラの着物を汚したんじゃ…悪いんはこいつじゃー』 子供C『そうじゃそうじゃこいつは…下士の分際でワシラ上士の着物を汚したんだがその罪を体で教えてやるんだわ』 と言いまた蹴りだした 虎太龍『やめや~て…ほいたら、ワシが相手になったるわ…』 子供A『わかったわ、そんかわりおみゃは覚悟しときや~』 と言い虎太龍の胸倉を掴んだ つづく
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