第1章 犬の縫いぐるみ チャコ

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「縫いぐるみがどうやって人間になるのよ?馬鹿げた事を言うと警察を呼びますよ!」 「なら証拠を見せてやるよ」 男は急に服を脱ぎ出した。恥ずかしさで顔が赤面になり背中を向けようとした時に男の身体の胸にある大きな傷が目に入った。 「これは…」 「この傷は瑠花がまだ6歳の頃、晴れた日に縫いぐるみの俺を抱いて公園に続く近道をしようとした時に、フェンスの網に引っかけて出来た傷だよ。あん時泣きながら縫い物してたっけ…」 確かに実際あった事で嘘じゃない。
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