縫いぐるみ行進曲

第１章 犬の縫いぐるみ チャコ

チャコも優しく瑠花を抱き締めた。

「俺も瑠花と色んな事したいと思ってた。初めて俺を傍に置いてくれた日からずっと願ってたよ」

チャコの大きな身体に包まれた瑠花はチャコの体温と鼓動を肌で感じて、不思議と安心するのが判った。

「でも、これからずっと人間の姿のままなの？戻れないの？」

「うーん…判らない。気がついたら人間になってたし」

チャコは布団に入らずに寝ようとした瑠花が風邪を引いてしまうのではないかという心の叫びの強さで、いつの間にか人間の姿になっていたらしい。