第1章 犬の縫いぐるみ チャコ

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とある玩具屋の前で瑠花の足が止まった。 窓ガラス越しに見える縫いぐるみに目をやると、小さな椅子にチョコンとお座りをさせられていた犬の縫いぐるみが目に入った。 「瑠花は何が欲しいのかな?パパが何でも買ってあげるよ」 そう父親が言うと、即座に指を指して犬の縫いぐるみを見た。 「あの犬の縫いぐるみが良い」 「犬の縫いぐるみ?犬の縫いぐるみなら家の中にいっぱいあるじゃないか。たまには違う物でも―――」 「あの犬の縫いぐるみが良いの!」
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