ホワイトデー

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あれから一ヶ月。月日と云うのは本当に流れるのが早い。 今から丁度一ヶ月前と言えばアホの妹子がチョコと云う名の赤味噌を美食家高貴なる舌を持つ摂政・聖徳太子様★に食わせてくれた日だ。しまいにゃ泣くぞ! まぁその後には意地でも作らせたけどな! …まぁこんな前置きは後にして。 今日は3月14日。ホワイトデー。 バレンタインのお返しをやたら希望される日だ。 さっき妹子にお返しだと白味噌をあげたら芝生に叩き付けられた。一体何が不満なんだ妹子! 「そりゃアンタ、僕は味噌汁を作るなら合わせ味噌派だからです。」 「うおっ?!!何処から湧いたんだワキ妹子!!」 「誰が脇だこのやろう。大体アンタ全部口に出てるんだよ」 なん…だと…Sit down!!まさか摂政がこんな失敗をするとは!! 「いやSitdownは座れだろ。down必要無いです」 「また漏れてた!!」 「はいはいお漏らし太子。で?もう用が無いなら僕帰りますよ?」 誰がお漏らし太子だ…お漏らしなんて20歳越えてから卒業したわい!! 明らかに不機嫌そうな妹子の視線がこっちに来るけど無性だ。スルーするんだ。 「改めて妹子にバレンタインのお返しをしようと思う」 「仕事してくれればお返しなんていりませんよ」 「ロマンの無い奴め!ほれ、受け取りんしゃい!」 差し出したのは妹子カラーの赤の和紙に包まれたソレ。妹子は怪訝そうな表情をしながら開けいく。 途端、妹子の目は見開かれた。 「た、太子…っこれ…」 「良いんだ、気にせず受け取れ妹子。」 ふ、と笑って格好つけてみる。 妹子の顔はみるみる内に耳まで真っ赤に染まる…可愛い奴め。 「――っ、…の‥」 「ん?」 「こんなのっ受け取れるかああああ!!!」 「ポピ――――!!!」 何を送ったかは妹子と太子のみが知ると云う。
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