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オウジサマの城を出て、数分がたった。
私達はまだ馬車に揺られていた。
すると突然、オウジサマが私の真っ直ぐな髪を撫でてきた。
「何かついてるのか?」
そんな訳ないだろうけど。
「…綺麗だ」
……なんなんだ?イキナリ。
4年、オウジサマと一緒にいるけど、いまだに分からない事がたまにある。
今のもそうだ。
「初めて会った時から気に入ってたんだ」
「…嘘言わないでよ」
初めて会った時?
あの雨の日か?
あんなボサボサの伸び放題の髪が…気に入った?
冗談も程々にしてほしい。
「本当だよ。くしでといたら、きっと綺麗なんだろうなって…」
「………。」
少し、体が熱い。
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