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「そうか…」
そうさ。
親の顔なんか覚えていない。
名付けられた記憶なんかない。
いつの間にか、私は捨てられていた。
「寒くないか」
「もう慣れたよ」
オウジサマの目は、少し寂しいような…そんな色をしていた。
まさか、私を可哀相だと思ってる?
なんだソレ。
貴族のクセに。
「お前を…引き取ろう」
「………は?」
突然何を言い出すやら。
意味がわからん。
「うちに来ないか」
…それは、私をオウジサマの家で預かるっていう事か?
養ってあげるって事か?
貴族のお前が?私を?
「……ヤだね」
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