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バサッ…と、1羽の鳥が飛んだ。
「じゃあ、あの鳥を撃て」
まだ低い位置を飛んでいる鳥。
あれなら、1発で…
ドンッ!
と、大きな音が町中に響いた。
それと同時に羽が散らばった。
「腕はいいみたいだな」
「まーあね」
褒められると、そこはやっぱり嬉しい。
落ちた鳥を見ていると、オウジサマが突然、
「うちに来い」
と言い出した。
さっき断っただろ…。
「だから嫌―…」
グイ、と強く腕をつかまれる。
その力は意外と強くて、私は精一杯オウジサマを睨む事しかできなかった。
「これは命令だ。俺を守るために、お前はうちに来い」
この国では、貴族の命令には絶対従わなくてはならない。
嫌だけど。
嫌なんだけど。
「…命令なら、仕方ないな」
ニヤ、とオウジサマは笑った。
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