添木悠介とその少年の失敗

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       間          違     入    っ     る    た     学     ゚     校          を  私こと添木悠介〈ソエギ ユウスケ〉は、三年C組の廊下側から二列目、前から三番目の机に突っ伏しながらそう思った。  俺はここ、私立『南北斗高校』という「南なのか北なのかはっきりしろよ」 とでも思わず突っ込んでしまうような名前の学校に、今日転入してきたのだ。  俺は生まれて初めての転校でやたらと緊張していたのだが、入った瞬間別の緊張がこみ上げてきた。  見渡す限りの明らかに染められた下品な色合いの金髪、茶髪に「…………お前らほんとに平成生まれか?」 と疑うようなリーゼント、オールバック、モヒカン、etc、etc…………。  そう、この南北斗高校は県内屈指のアホ学校、極悪高校としてやたらと有名だったのだ。
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