添木悠介とその少年の失敗

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 マッチョさんが言うと、一気に周りの男子のほとんどは立ち上がり、俺を囲んで歩き始めた。  俺はそのまま流されてしまい、あれよあれよといううちに『この先屋上 立ち入り禁止』 と辛うじて理解できるぐらいの塗装の剥がれかけた注意書きがある場所まで来てしまった。  しかし、そんな注意書きがあるぐらいだったらもちろん鍵は閉まっているだろう。 (フハハハハ! やっぱこいつらやたらアホだぞ!  こんな狭い階段が終点だったら、ちょっと暴れてドミノ倒しみたいに階段で転げ落としてその隙に逃げ―――――)       ガギィッ!  ………………………………………………………ハイ?  え? 何? 今のカナヅチで石叩いた時に出るような音は?  そして何ゆえにドアが開いているでございまするか?  そしてマッチョさん、その手にしている潰れた金属は何でございまするか?  …………………………………もしや、今素手で破壊したと?  なんだよこいつえげつねェェえええええええええッ!!
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