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「ねえ、琴音ちゃん。買い物に行かない?」
暫くして顔色が戻った琴音に、綾菜がそう言えば琴音は顔を輝かせた。
「行きたい!!」
「おや?昨日買い物した「出掛ける準備しましょう!!」……」
「行くのは良いが遅くならないようにし「綾菜ちゃん、あたしの髪の毛結ってくれない?」……」
「おい、聞いているの「勿論、いいわよ」……」
言葉を見事に遮られた悠助と勒七は、呆れたように綾菜と琴音を見た。
しかし、すっかり二人の世界に入り込んでいる綾菜と琴音は、其れに気付かない。
「斯ういう場合、男は口出し出来ないねえ」
「まだ出掛けてもいないのに、彼所まで盛り上がれるなんて……」
悠助は理解出来ないと言わんばかりの表情だ。
「女子は然ういうものさ。それに、可愛いから良いじゃないか。あれが男だったらわっちは嫌だね」
悠助は顔を思い切り顰めた。
男だって盛り上がることはあるが、女の盛り上がり方とは違う。
勒七の言うように、男が目の前の二人のような盛り上がり方をしたら……誰だって嫌に決まっている。
「下らない」
若干顔色が悪い悠助は、言葉を吐きだして二人を視界から外した。
そんな遣り取りなど知らない綾菜と琴音は、彼や是や言いながら出掛けて行った。
きっと帰ってきた後も、同じ様に騒ぐのだろう。
些か疲れた様子の悠助を見て、勒七が笑ったのは言うまでも無い。
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